第2回: 科学的に証明された「感謝」の力(ポジティブ心理学×脳科学) 

私たちは幼い頃から「人に感謝しなさい」と教わってきましたが、その**「感謝(Gratitude)」**が幸福に与えるインパクトは科学的にどれほど大きいのでしょうか?ポジティブ心理学の研究により、感謝の習慣がメンタルヘルスや脳に与える良い影響が次々と明らかになっています。 

まず、ポジティブ心理学の多数の研究が示すのは、「日頃から自分の恵まれていることに意識を向け、感謝を数える人は、そうでない人に比べて幸福度が高く、抑うつ症状が少ない」という事実です  

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。例えばある実験では、参加者に毎日「感謝できること」を書き留めてもらったところ、数週間で気分が明るくなり不安や落ち込みが軽減したと報告されています  

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。これは感謝の意識を向けることで、物事のポジティブな面に注意が向き、否定的な思考のループを断ち切る効果があるためと考えられます。 

さらに興味深いのは、感謝が脳の構造や機能にも変化を及ぼすことです。ある研究で、大学生たちに週1通のペースで感謝の手紙を書いてもらい、それを3週間続けたところ  

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、実験開始から3か月後、感謝の手紙を書いたグループはそうでないグループに比べ、脳の前頭前野の活動パターンが変化していることがfMRI(機能的MRI)で観察されました  

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。具体的には、感謝の気持ちを感じたときに前頭前野が強く反応するようになっており、この効果は手紙を書くことをやめてから数か月後にも持続していたのです  

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。研究者は「感謝を表現する習慣によって、脳が『感謝しやすい』状態にトレーニングされ、ポジティブな感情を感じ取りやすくなる可能性がある」と指摘しています  

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。これはまさに「感謝で脳を鍛える」イメージですね。 

脳科学の観点から言えば、感謝の念を抱くと扁桃体や海馬といった情動や記憶を司る部位が活性化し  

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、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられることも分かっています  

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。感謝によって脳内にドーパミンセロトニンが放出されるため、抗うつ剤のような効果をもたらすとも言われます  

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。実際、「日記に感謝を書き留める」「お世話になった人に感謝の手紙を書く」などの感謝エクササイズは、不安や痛みの軽減、睡眠の質向上など、心身の健康に幅広く良い影響を及ぼすことが確認されています  

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。 

このように科学が証明する「感謝の力」は絶大です。しかし、大切なのは実際に日常生活に取り入れること。例えば毎晩寝る前に「今日感謝できること」を3つ思い出す習慣をつけるだけでも、心の状態が改善し幸福感が高まることが研究で示されています  

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。たとえ些細なことでも構いません。「美味しいコーヒーを飲めた」「同僚が手伝ってくれた」「家族が元気でいてくれる」――こうした小さな感謝を積み重ねることが、長い目で見ればメンタルヘルスの向上につながります。次回は、まさにその「感謝習慣」を日々継続するための具体的なメソッドであり、HappiBoostの核となるプラクティスでもある「Everyday3Thanks」について掘り下げましょう。 

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